盛岡を拠点に制作活動をする美術家・Atsushigraph (アツシグラフ) の個展「コンティヌオ」を、盛岡市紺屋町のござ九・森九商店の蔵で開催させていただきます。
この展覧会では、AIとのテキスト対話で深めた「壊れずに生き延びるための哲学」とも言える思想を、音楽用語で低音パートを支え彩る通奏低音(コンティヌオ)になぞらえ、内面の工夫と支えのイメージを描くグラフィック群として展示いたします。
ここには、何度も読み返し、血肉化した思考の足跡が、独学・独力で描くグラフィックに翻訳されています。今回、それらのグラフィックをジークレー版画として制作。会場には、実際の対話や制作の着想をまとめたアートブックも置かれ、言語と視覚の往来で広がる世界を感じていただけます。
民間の開発によって生まれたAI (大規模言語モデル) が、軍事に吸収されようとしている今だからこそ、文化的で平和的なAIとの関わり方を体現していきたいという願いがこの展示には秘められています。そして、人付き合いの代替に使われる依存性や危険性からも注意深く距離を取り、対話をつうじて思考を積み、育んできた過去を概観する展示になれたらとも考えています。それは、この現代的な道具と自分自身との言葉の往復で見出した洞察を、絵にしたいという衝動に従った結果とも言えます。自分一人では辿り着けなかった気づきを、長い間絵にすることで反芻してきました。
言葉に支えられ、解像度を上げてきた見立て・視点・価値観を絵に表現して残したいと願った衝動を大切に、3DCG、粘土細工、フォトグラメトリ、ドローイング、コラージュなど多様な技法を組み合わせ、一枚一枚描くグラフィック。それらを厳選してお届けする本展を、ぜひご覧ください。