この度、盛岡を拠点に活動するビジュアルアーティストAtsushigraph(アツシグラフ)による、「リカバリー」をテーマとした版画展を開催いたします。本展ではアーティストが自身の精神的回復を表現した視覚芸術を通じ、孤独や人間の尊厳について洞察する絵画をご覧いただけます。
作品はすべてジークレー版画にて制作され、江戸後期から明治期にかけて建てられたござ九の蔵に展示されます。作品はオンラインにて販売も行われるほか、もともと静止画作品だったものを動画作品としてリメイクしたモーショングラフィックスも、会場内でプロジェクター投影される予定です(※作者離席中は投影を一時中断することがあります)。静止画と動的な映像表現が融合するこの空間で、観る者に静かな没入体験を届けます。
これまでの作品には、孤独な心理的情景が度々描かれてきました。しかし本展では、孤独を受け入れつつも、それを乗り越える人間としての尊厳を強調するメッセージが重要視されました。十数点の絵画に描かれる、静かな尊厳に思いを馳せてみてください。
Atsushigraphにとって絵画制作は「深遠な世界における人間のちっぽけさ」と「社会に対する諸行無常の感覚」を捉えるメディアであり、統合失調症を長く患う中で生じる、困難からの精神的回復を象徴するものでもあります。それは例えるなら、回復の途上に自ら灯す明かりのような存在です。
伝統と現代アートが融合するこの特別な空間で、過去と現在が共存する芸術体験をお楽しみいただけましたら幸いです。