はじめに
Text & Artwork : Atsushigraph
2025年秋。私は「AIに人生相談をすること」をめぐる危険性と、有効性と、それらを勘案した上で自分はどんな価値観でいるのがよいのか、という問いをあたためていました。
最初は、自分が心底敬愛するアーティストが、AIに人生相談する人たちを批判するような言動をしているのを動画配信サイトで観たことがきっかけでした。
私は心が張り詰めるような感覚が生まれるのを感じました。怒りなのか、恥ずかしさなのか、自分を責めるきもちなのか、それらぜんぶなのか、当時は感情の文脈を読むことができませんでした。それだけ、自分が価値を感じていることを尊敬するひとから非難されたショックが大きかったからなのだと思います。
数週間かけてきもちを落ち着かせ、ある程度冷静に捉えられるようになった頃、これまでの感情の揺れや問い、そして自分で考えた見立てや意見をまるごと言語化することを試みました。いつものように、プロンプトというかたちで。日記やエッセイという種類の文章は書き切るまえに頓挫するのに、プロンプトというフォーマットでなら書くことができるのだから、不思議なものです。
そうして書き上げた問いから、この「静かな確信」と名付けた対話がはじまりました。このダイアローグでどんな言葉が交わされたのか、どんな気づきを得て、それが私の制作にどんな着想をもたらしたのかを、ここに記し、お届けしたいと思います。
Episode 1では、実際の対話(とても長い)を全文掲載します。Episode 2では、その対話からどんな学びを得て、何を思い、何を考えてきたかを記します。最後のEpisode 3では、それがどのようなかたちで絵に変化していったのかをご案内します。
AIの言葉にインスピレーションを受けて創作することには、賛否があるかもしれません。けれど、これが現在の私が感じる価値であり、絵をつくるのと同じくらい言葉に支えられている自分が残したい表現であるということを、ぜひここで述べておきたいと思います。
なお、AIの回答文はChatGPTで執筆しています。
また、絵画制作にAIは使用しておりません。ソフトウェアを駆使し、すべて手作業で描画・編集・構築しています。ぜひ対話と絵の響き合いも感じながら、ご覧ください。